栄養サプリメントの必要性について

 最新の治療法で多くの化学物質過敏症やアレルギーに大きな成果をあげているDoris.J.Rapp博士の著書をご紹介したいと思います。今回はその中から栄養サプリメットについてお話しましょう。
DORIS博士の著書”IS THIS YOUR CHILD? 27章より

人々は誰でも好むと好まないとにかかわらず、多少の化学物質や環境汚染物質に曝されています。それから体を守るのに必要とされる栄養素が増えていく状況にありながら、栄養的に不十分な食事に依り適切な接種が難しくなっています。
食物の消化がきちんと行わなければ、食べ物は小さな分子まで分解されず大きな分子のまま吸収される事なり、ひいてはそれがアレルギーの素地の増大へと繋がっていくのです。免疫システムが汚染物質によって妨害されダメージを受ける事は疑いの余地がありません。
 
銅、亜鉛、マグネシウム、セレン、マンガンのような微量金属元素や、ピタミンBやビタミンC等の栄養素は同様に食べ物を分解して体に必要な物質に変える酵素に欠かせません。
 これらの栄養素の不足は子供や大人の健康に大きく関与しており、ピッタリした表現が見つからないのですが、強いて言えば、半健康、半病気、あるいは病気未満という言い方をする人もいますが、そういう人々の認識されない因子です。
 環境病と呼べる様な半健康/半病気(病院へ行くほどの病気がある訳ではないが、健康かと言えば、―応健康にはちがいないが本当に健康という訳でもない)を持つあらゆる世代の人々にビタミンや微量金属元素の不足が見られるという事が以前からいわれていましたが、最近のダラスの研究でも明らかです。

 特に環境病(半健康/半病気)を持つ人は、ビタミンBI(チアミン)、B2(ジボフラピン)、B3(ナイアシン)、B6(ピリドキシン)、ビタミンC、ビタミンD、葉酸の不足が明らかです。女性は男性のほぼ2倍のビタミンB6が不足しています。ビタミンB6は60以上の酵素が関わる細胞の反応に必要です。
 身の周りの環境汚染物質、ベンゼン、炭化水素、殺虫剤の解毒にビタミンCの必要性が益々増大します。有害な汚染物質が急速に増え続けており、細胞内の正常な機能を維持する為に、ビタミンCのみならず他のビタミン、微量金属元素の必要性も益々増大するのです。

栄養素の不足に関与するその他の要因

 パンやミルク製造など、流通の過程でビタミンの大半がなくなってしまうために栄養素の欠乏が生じます。そして、栄養素の少なくなった食品には皮肉にも”栄養リッチ”な食品と謳われて消費者に売られているのです。
 アレルギー疾患を持つ人の中にはあるビタミンに寛容ではないことがとても多くあります。ビタミンBの原料であるイーストに過敏であるとか、ビタミンCの原材料としてよく使われるトウモロコシに寛容でない(アレルギー気味という意味)事があります。ビート、サゴヤシ、パーム、タピオカ、ポテト、人参など、もし、これらの一つで不耐症なのはそれら作られたビタミンCを摂取するのがよいでしょう。

魚に過敏性のある人は、必須脂肪酸なら消化できるかも知れません。

特定の食べ物に過敏性を持つ子供達は食事においてもその食べ物が原料ビタミンを取らないほうがよいでしょう。

 人によって必要な栄養素は十人十色です。栄養の過不足に問題がある場合、専門家によりビタミンのレベルのモニタリングが必要な子供達も中にいます。

 栄養素の血液検査は非常に高い金額がかかります。高価な割に血液検査には、体内の細胞や脳の組織の細胞レベルで実際に必要とされる栄養素量を正確に反映しないのです。しかしながらこれらの検査で重要な手掛かりを得る事ができます。やがて恐らく細胞レベルで健康な人が、すべての観点からより健康に相違ないとわかるでしょう。免疫システムを長期間強化し続けた人は、実際に保険会社に支払うお金を節約できるのです。保険会社が潜在的な栄養素不足を予防する企画をして食事法分析代金を返済するなら、恐らく病気の発病を減らすでしょう。私達医師の共通の目的は病気の治療をするのと同じように病気を予防することなのです。

腸管の消化や吸収不良、異常があるとせっかくのビタミンが適切に利用されません。栄養素をしっかり摂取しても、ただ単に腸管を素通りするだけで依然として不足が続く人もいます。

 有害な化学物質過敏症物質に曝されているので、細胞内に於ける正常な機能を維持するために、ビタミン、ミネラル、微量元素が必須です。有害物質の毒性故に、体内ではビタミンなどをたくさん利用して解毒にあたりますが、必要な栄養素は、食事からだけではとても間に合わない時代です。
解毒システムが疲弊気味なので私達の体は、半健康/半病気となり、もし機能不全に陥ればバランスを失って本当の病気になってしまいます。

札幌でむら小児クリニック
院 長    出村 守