
◆減感作療法とは?

減感作療法とはアレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ長期間かけて皮下注射し、アレルギー反応を低下させる治療法です。
正確には特異的免疫療法(specific immunotherapy SIT)と呼ぼうとWHOが提唱しております。具体的には、アレルギーの原因エキスをごく少量から開始し、少量から徐々に増量し、アレルギーが起きないように抗原に対して過敏性を低下させることを目的とした免疫療法です。
成功すれば、それ以降は薬なしの生活が期待できるという点で注目されております。
初期治療としては内服薬、点鼻薬の治療が効果、価格などの点で優れていますが、治療が長期に及んだり、妊娠、薬の副作用などで薬を続けて使用できない場合には、十分検討に値する治療法です。
◆治療法について

具体的な治療方法としては、血液検査や皮内テストで通年性のアレルギーの原因がハウスダストであることを確かめます。その上で、ごく少量の薄く希釈したエキスから注射していきます。
原則として最初は週1回、少しずつ量を多くしていき、最大濃度までいったら間隔を開けて2週に1回、最終的には月1回にして濃度を続けます。その効果を維持するためには最低でも1年間、できればもっと長く続けます。
- (1)まずは問診
- 初診時に病状についての経過などをたずねます。また問診表に記入していただきます。原則として、減感作療法の説明後、同意書を準備しています。
- (2)皮膚テスト
- 一定の抗原と何か特定の抗原があればその皮膚感受性検査を行います。
- (3)血液検査
- 約一週間後に陽性抗原がわかれば閾値テストを行います(抗原濃度を設定します)。
開始濃度が決まったら週一回の割合で定期的に注射をします。副作用出現防止目的として当日の朝、抗アレルギー薬の内服を勧めています。
減感作注射はアレルギー科(内科)は月~金曜日、予約制をとって待ち時間を短くする工夫をしています。
少し慣れた時点で、近くの開業の先生に注射を継続していただくこともできます。
減感作エキスを月一回処方しています。
◆減感作療法のメリット
- ・薬なしでもアレルギー症状が軽い状態が長く続く。
- ・率は少ないが薬を使わなくとも症状が生涯おこらなくなる唯一の治療法。
- ・妊娠、授乳、小児の発育に悪影響を及ぼす心配がありません。
- ・内服薬、点鼻薬、手術など他の治療法に悪影響を及ぼすこともありません。
- ・内服や点鼻の抗アレルギー薬を長期間使用することと比較すると安価です。
◆減感作療法のデメリット
- ・早い人で2ヶ月ですが、約70%の人は効果が現れるまで半年かかります。比較して非常に長い期間を必要とします。
- ・時間をかけて効果が現れる場合もありますが、全ての患者様に有効とはいえない。
- ・皮下注射を繰り返す治療法ですので、細い針とはいえ毎回チクリと痛みます。
- ・アレルギーの原因物質を注射するため喘息発作、じんましんを誘発する可能性があります。
- ・極めて稀ですが、ショックをおこし最悪の場合死亡した例も報告されています。
- ・多くの抗アレルギー薬が開発されるにつれ、減感作療法をやめてしまった医療機関が多い。